フランスのバカンスについての体験談
- はじめに
- 会社は休み
- 銀行員も休み
- 社会保険の機関だって休み
1. はじめに
フランスといえばながーい夏休み(バカンス)があることが有名みたいですね(来ることが決まるまで知らなかった)。
日本にも欲しいという人がいるみたいですが、それは実態を知らないから言えることかもしれません。
ということで今回は高菜漬けが実際に体験したバカンスについての話です。
2. 会社は休み
バカンス期間は会社はお休みです。
自分のように期間契約で来ている場合、何よりも結果が欲しくて働きたいところですが、会社が休みで基本立ち入り禁止となると働けません。
ちなみに強制休暇期間については土日祝を除き無理矢理有給休暇を消費させられます。
これだけ長期間無理矢理有給休暇を消化させれば、そりゃあ有給消化率も上がるよね、って感じです。ちなみに年末年始についても強制有給休暇消化期間です。
日本でもこのやり方は見かけの有給消化率をさらに上げるのに使えるのでは…?
3. 銀行員も休み
フランスでは銀行は担当の銀行員がつき、なにか用事があればすべてその人に話をします。しかし、銀行員だってバカンスを取ります。そうなると何が悪いのか。
担当の銀行員が休みの間は例え重要な要件があっても何もできません。
自分の場合は保険関連などなどいろいろあったのですが、担当が返ってくるまでなにもできず。。。
バカンス期間なので多少は正当化されるのですが、フランス人は同じ仕事であっても担当者によって許すラインが違うので、認めてもらえるかは運次第です。
4. 社会保険の機関だって休み
高菜漬けはフランスで働いているため、給料からは社会保険費が差っ引かれています。
しかし、働き始めて数か月たってもいまだに保険証に対応するものがもらえていません。社会保険番号だって給与明細には書かれているのに…
ちなみに社会保険の申請は7月にはしています。それでも何の連絡もないというのが現状です。
送れている理由の一つはフランス人がしゃべってばかりで仕事をしないからでしょうが、もう一つとしてはほぼ間違いなくバカンスを挟んでしまったからです。
ちなみにバカンスに慣れているはずのフランス人も休みボケをします(笑)
休みから帰ってきて一週間は普段よりもしゃべってばかり、昼休みも長く、早上がりでろくに働きません。
この休みボケも相まって、自分の申請がなかったことにされている可能性までありそうです。
自分の権利の主張は激しくても、仕事(義務)を果たそうとせず、他人の権利を害する。
曰く、
でぃす いず ふらんす
ということらしいです。
ほかにも挙げだすときりがないほどに不便を被ったバカンス期間でした。
このバカンス経験を経て、自分にはバカンスは不要だと思いましたね。
休みがこんなに長い必要はないですし、ちょっと有給休暇が取れれば十分です。
有給休暇がとりにくい会社は問題ですが…
日本にもバカンスを導入すべきという人は、日本の素晴らしいサービスがバカンス期間も続く前提で考えているのでしょうが、本場のバカンスを経験してから言ってほしいものです。
フランスでの生活にかかるお金ってどれくらい?
- はじめに
- 家賃について
- 食費について
- 交通費について
- 光熱費、通信費等について
1. はじめに
新しい場所で生活するとなった時にはやはり先立つものは気になると思います。
というか、自分は結構気になっていたので、本日は生活費についてです。
人によってどこに力を入れるのかなどまちまちだとは思いますが、
「節約、節約」
と爪に火を灯すような生活はしていませんが、無駄遣いはそんなにしていません。
そんな高菜漬けの生活費について赤裸々に紹介していきたいと思います。
2. 家賃について
フランス人特有のいい加減な仕事が積み重なり紆余曲折を経た結果、現在の高菜漬けの部屋は23平米で、家具にお皿、家電等がついた外国人向けの長期滞在用のホテルです。週に一度の清掃もついてお値段約9万円です。
まあホテルなのでこんな値段ですが、この値段だと自分の住む県の市街地(TGVやユーロスターの停まる駅がある)で、駅近の家族で住める結構きれいなアパートメントが借りれるようです。
パリだともっとするのかもしれませんが、パリ在住のブログは山ほどありますし自分は興味もないので調べていません。(ぁ
ちなみに自分が住んでる部屋を学生が借りる場合、 4万円ほどだとか…
フランス、というかヨーロッパでは日本以上に学生が優遇されている気がします。
3. 食費について
食料品に関してはさすが農業国、安いです。
500 gのサラダで100円ほど。400 gのコールスローが600 g増量して(つまり1 kgで)250円とかです。ちなみにフランスはこの手のおまけのほうが多い売り方や、「2個買ったら二個目は何%OFF」などよくやります。
お肉に関しては牛が高く、鳥や豚が安いのは日本と同じ。ニュージーランドではちょうど逆転するらしいんですけどね。牛は1 kgで1300-1600円くらいですかね。量が多いものになるともっとキロ単価は下がります。ちなみに、ウサギ肉も普通に売っているのですがどう調理していいのかわからず手を付けていません。
あとは缶詰がいろいろな種類があって、これも安い。
パエリアの缶詰が1 kgで300円ほどでした。ラタトゥイユの缶詰も安くて自分で作る気が起こりません。
バターや牛乳等の乳製品も安いのでよくホワイトソースを作ります。
総じていえば自炊する分には安く健康的な生活を送れます。
あとはアルコールも安く、ビールは大ビン(こちらだと750 mL)では300円くらいからあります。普通のワインは割引なしだと270円くらいからですかね。料理酒用っぽいのはもっと安いのもあった気がします。
高菜漬けの場合、毎晩晩酌でワインやビールなどを一瓶空け、朝食はシリアル的なもの、昼夜は自炊ですごして月の食費は3万円に届きません。
…が、外食が入ると話は変わります。
とにかくこちらはファストフード以外のお店で食べると高い!
頑張って安く抑えようとしても2000円はいきます。
これは人件費が高いためで、このためにフランスのお店ではできる限り人を減らします。その結果、日本のような目の行き届いたサービスなど望めるはずもなく、働かない国民性も合わさってか、高く感じる割にサービスは悪い印象です。
あと、外食は非常に脂っこく、味付けが濃く、こんな食事ばっかりとっていればそりゃまぁこの光景(子供から大人まで多くの人が非常にふくよか(婉曲表現))になるよね、といった感じ。
外食は月に1-2食くらいが限度でそれ以上は耐えられないかなといった感想です。
4. 交通費について
あちこちへのお出かけ等は長距離バスが(近年、人気取り政策によって)整備されてていて、お安いです。電車系は遅延や取りやめによって乗り継ぎでろくなことがないらしく、上司のフランス人にもバスが無難と教えられました。たとえ国境を越えようとも、片道2時間くらいの場所であれば往復2000円くらいです。
電車の場合は30分ほどの旅で700円くらいでした。
メトロは月の定期が区間指定なく乗り放題で7000円以内とお安い。まるで学生割引が聞いているかのようですね。ちなみに月の定期を買うには会社からの書類が必要ですが、一週間乗り放題切符は少し割高になるものの書類なしで買えます。
と、ここまで書いてきましたが、高菜漬けの場合、職場の近くのホテルで徒歩勤務のため通勤費は0円です(笑
お買い物も徒歩圏内のところで済ませているので、やはり0円
しかし、公共交通機関を使わないと買い物に行けない人も多いようですので下調べは重要です。
交通機関でもストライキはざらにあるため、フランスに来るときはストライキの予定をきちんと調べておかないと、下手すると空港から動けなくなります。ご注意を。
5. 光熱費、通信費等について
光熱費や水道代、インターネット代は家賃に含まれているところも多いようですが、契約によるようです。電気代がかかる場合、朝は電気代が安いらしいので、早起きして洗濯等の家事を済ませるのが節約になるようです。
通信費の中でも特に携帯電話について、フランスではSMS(携帯の電話番号に送るメール)が非常に一般的です。ないと公共サービスや契約もろくにできませんし、県庁からの連絡でさえSMSで届きます。つまり、フランスの携帯電話番号を持つことは必須です。
その分、非常に安く、高菜漬けの場合、SMS、MMSは無制限、インターネットも30 GBついて一か月あたり700円しないくらいです。日本の携帯会社も見習ってほしいですね!
以上まとめると、高菜漬けの場合、月の生活費は日帰りの小旅行等を含めても13-14万円程度です。高菜漬けの場合、家賃が非常に高い(フランス人事務許すまじ)のがネックですが、家賃以外に絞ると遊興費を含めても5万円程度で毎日飲んだくれられます(笑
だいぶあけすけに書きましたが、これらの情報がこれからフランスにいらっしゃる方の参考になれば幸いです。
研究者ビザについて
- はじめに
- 研究者ビザについて
- 研究者ビザの申請~高菜漬けの場合~
1. はじめに
日本国民であれば、観光を目的とする場合、フランスを含むシェンゲン圏の国々に180日以内で90日間まで滞在することが可能です。
しかしこれはあくまで観光目的の場合のことです。給料が発生する場合は基本的にビザ(査証)が必要になります。
自分の場合は仕事で給料が発生するためビザが必須でした。ちなみに、留学のためのビザについては数多くのブログで紹介されているのでそちらをご覧ください。
2. 研究者ビザ
自分の場合ビザの中でも研究者ビザで来ることになりました。これに関してはブログ等を調べても情報が古いことが多く、しかも在日フランス大使館のサイトを見ても不明瞭で、その結果困ったことになったので紹介します。ちなみに以下が研究者ビザについての在日フランス大使館の説明です。
このビザは、フランスの公認機関(大学、国立研究所など)に研究の目的で3カ月を超える滞在者に適用されます。フランスの公認機関を管轄する県庁にお問合せ下さい。ビザセクションでは回答できません。
日本国籍の方およびシェンゲンビザの必要がない国籍の方で滞在が90日未満の場合、フランス側からの資金(給料、奨学金など)が出る場合においても、県庁(Préfecture)より承認を受けたコンバンション・ダキュイ(Convention d’accueil)をお持ちであればビザなしで入国が可能です。研究者およびご家族手続きの変更
12ヶ月未満の滞在は引き続き移民局の手続きです
12ヶ月以上の場合は県庁での手続きになり移民局の紙の提出は不要になりました
ビザセクションでは回答できないと先回りされています。
自分の場合、ちょうど1年間(365日)の契約だったのですが、この場合12か月未満に含まれるのか、以上に含まれるのかがわからない。フランス側で聞いても微妙な回答(フランス人の回答のいい加減さついてはそのうち書きます)。
結論から言えば、長期ビザの申請用紙で、移民局の提出用フォームを提出するのが正解でした。
3. 研究者ビザの申請~高菜漬けの場合~
研究者ビザではコンバンション・ダキュイ(受入協定書)が必須です。
これには契約条件等が書かれており、基本的にフランス側での手続きになるため、向こうでサインして送ってもらう必要があります。フランスでは”基本的に”(極々稀に例外有)仕事が遅く、忘れられることや書類をなくすことも多々あるので、せっつくことも時には必要です。
研究者向けのコンバンション・ダキュイをもらうためには、学位証明書やアポスティーユ(出生証明書)のフランス語訳版が必要です。しかし日本にはそもそも出生証明書はなく、これにあたるのは戸籍謄本(全部事項証明書)です。自分の場合、戸籍謄本のフランス語訳を大使館指定翻訳会社にお願いしました。1通4000円でしたが、依頼から受け取りまで3日と非常に素早く対応していただきました。翻訳物を電子メールでフランスに送る際は、日本語のページも含めすべてスキャンして送ってください(翻訳は原本必須)。
ちなみにビザの申請は京都の領事館では不可能で、東京の大使館でのみ受け付けています。さらに、申請にはネットからの事前の予約が必要で、1-2週間先まで埋まっていますので急ぐ場合は見込みで先に予約を抑えておく必要もあるかもしれません。
上記のコンバンション・ダキュイに加えて高菜漬けは以下のものをそろえて申請しました。
- 申請書チェックリスト
- 長期ビザ申請書
- パスポート(原本とコピー)
- 99ユーロ相当の日本円での現金(お釣りもありますが、手間取る場合があるので小銭をきっちり払えるようにしたほうがよいです)
- 自分宛のレターパック510(パスポートの返却用)
申請書のチェックリストには該当する場合に必要な書類として
移民局(OFII)提出用フォーム(12 ヶ月未満の場合のみ)
と書かれていましたが、1年だと「未満」には当てはまらないかと考え、持っていきませんでした。先述の通りこれはミスで、1年まではこの移民局提出用フォームがあればビザを発行可能と申請の際に指摘されました。
尚、移民局提出用フォームがなくとも、3か月ビザではありましたが無事もらえました。この場合はフランスに到着後、滞在許可証の延長手続きが必要です。
この研究者ビザはどうも対応が極めて早いらしく、翌日には承認されて郵送されていました。他のビザと同じように、10日くらいたってから結果を確認しようとすると下手すると大使館に返送された後になるかもしれません(郵便局での保管期間は1週間のため)。
以上、自分の体験を含めた研究者ビザについてでした。
上記につきましてはできる限り誠実に書いていますが、当方は責任を負いかねます。
情報の利用につきましては自己責任でお願いします。
本ブログの趣旨とちょっとした自己紹介
フランスに憧れてフランス留学しています!というブログは多数ありますし、こちらに来る際にはいろいろ参考になりました。しかし、憧れていたところに来るのは贔屓目が入ってしまうものです。
そこで、特に憧れていたわけでもなく、ただただお仕事の都合でこざるを得なかったという高菜漬けが、フランスでのリアルな生活をフラットな目線から伝えていこうというのが本ブログの最初の趣旨です。あとは、せっかく珍しい体験をしているので振り返るときの備忘録を兼ねようかなと。
以下ちょっとしたプロフィールです。
名前:高菜漬け
現在住:フランス
性別:男性
年齢:20代後半
職業:理系職(研究系)
外国語:英語は読み書きができる程度。暗記してしまえば発表はできるが、日常会話は本当にからっきし。大学学部時代は理系のお約束、ドイツ語を選択。このためフランス語は一人称すら知らない状態でフランスにきました。現在時点で挨拶とお礼以外のフランス語を喋れません。
こんな感じの中の人がぼちぼちと更新していきたいと思います。
これからフランスでの生活を始めようかという方の参考になればうれしいです。